「SPフィックスパイル工法」は、アンカー定着層が存在しない比較的軟弱な地山に適用され、自穿孔ボルトをセンターロッドとし、従来のドリルパイプを使って二重管掘りできる「引張型」の高速ルートパイル工法です。
一方、「圧縮型」のルートパイルとして改良した「S型」は、口元補強管の追加で杭頭変位を抑止・照査でき、超高強度でプレパック型の「FIXパイルモル」を使えば、補強土壁などの重量物も効果的に支持し、滑り抑止もできる工法に進化しました。
圧縮型で硬岩層や硬い玉石層などが予想される場合は、「後挿入方式」を採用します。
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作業要領
従来の作業要領
SPフィックスパイル
耐荷性能の改善
「SPフィックスパイル工法(S型)」は「圧縮型」の懸案だった補強土壁などの重い構造物支持にも適応できるようにプレパック型の「超高強度グラウト」を開発しました。
超高強度グラウト
キーワード
- ・高速・省力施工。(ロッド回収、芯材組立、挿入作業を省略)
- ・多段フック効果。(多段フックとグラウトの加圧注入で付着を改善)
- ・アンカーマシンで2重管掘り。(削孔が確実で低騒音)
- ・ドリルパイプ引上げが確実。(削孔後、即注入・引上げ)
- ・狭くても作業容易。(補修・基礎補強に最適)
削孔径とSPボルト諸元
削孔呼び径 | φ115mm | φ135mm | ||
---|---|---|---|---|
SPボルト呼称 | SP32N | SP32S | SP32S | SP38 |
外 径(mm) | 31.4 | 31.4 | 31.4 | 38.0 |
中空径(mm) | 17 | 14 | 14 | 16 |
断面積(mm²) | 468 | 541 | 541 | 805 |
降伏荷重(kN) | 204 | 296 | 296 | 400 |
破断荷重(kN) | 255 | 370 | 370 | 500 |
単位重量(kg/m) | 3.4 | 4.3 | 4.3 | 6.3 |
センターロストビット
アンカー定着層が存在しない「引張型」の長尺ボルト施工では、センターロッド付きロストビットと従来のアウターパイプとリングビットにて2重管削孔して、高速ルートパイルの施工が可能です。
注入横穴付き先端支圧板
「圧縮型」の採用では、転石層や硬岩層への削孔・定着が主体となる場合が多いため、「先端支圧板」を装着して「後挿入」の手段とする場合が多くなります。
応用例
- ※本事例では、盛土背面の斜面に「引張型」、盛土底部に「圧縮型」のSPフィックスパイルを配置してある。
- ※「引張型」のSPフィックスパイル群で盛土背面の小さな円弧すべりを抑止している。
- ※「圧縮型」のSPフィックスパイル群で基礎反力支持と大きな円弧すべりを抑止している。
・口元補強管の設置によりSPフィックスパイルを弾性床上の梁として杭頭剛結、および杭頭ヒンジ時の解析、杭体応力度や変位量の照査が可能になります。